オリンピックのボランティア通訳がらみですか……。 [コラム]

バタバタしていて、ひと夏放置状態だったこのブログですが、「学問」ランキングでずーっと20位ぐらいをウロチョロしていたはずなのに、久々に更新してみたら、今日のランキングは14位。いったい何が?と思っていたのですが、検索ワードをチェックしてみて合点がいきました。

東京オリンピックの開催が決まったので、ボランティア通訳がらみで検索を行なっている方が、多数たどり着いているようです。

えーと、まあ、柴原的には、「頑張ってください!」といろいろな意味で申し上げたいと思います。思いは非常に複雑なんですが。

私自身、通訳者としてのデビュー戦は1994年の広島アジア大会なので、スポーツイベントにおける通訳活動には思い入れがあります。でも、口幅ったいようですが、私はあくまで「通訳者」として参加しました。一人でも多くの方が、その肩書で参加できますように。

柴原 智幸

PS
2011年の6月に書いたブログのエントリを、以下に引用しておきます。

***


通翻課程の皆さん

教務課より、技能五輪のボランティア通訳の募集が回ってきました。内容を吟味して、やりたい人はぜひ応募してください。

締切は木曜日の午後5時「厳守」です。

詳しくは添付ファイルを見ていただくとして、日程が後期の第2週にかかります。これは私から「公欠に準ずる扱いにしてください」とお願いを出す予定でいますので、あまり心配しなくて大丈夫だと思います。

最初に一言だけ個人的な考えを言わせてもらうと、確かに柴原は、「教員」という立場からは「ボランティア通訳」の教育効果は大いに認めていますし、大学のスポーツボランティア通訳の研修プログラムに関わっています(パク先生とプログラムの内容について検討したり、今週の水曜日はその研修に講師として登壇したり)。ただ、「通訳業界にいる人間」としては、「ボランティア通訳」という通訳業務のあり方には、個人的に反対です。

「ボランティア」というのは、すでに何らかの技能などを持っている人が、それを無償で提供することなのであって、「技能が一定水準に達していないことの免罪符ではない」と考えているからです。

私がよくするたとえ話なのですが、みなさん、無免許の「ボランティアふぐ調理師」が作ったフグ刺し、食べたいと思いますか?いくら心をこめて一生懸命、全力でフグひき包丁を使ったにしたって、食べた人がひっくり返っちゃ、何にもなりませんよね。要は、そういうことだと思うのですよ。

今回の依頼内容も、本来は、きちんとお金を払ってプロ通訳者を雇うべき水準の仕事だと思っています(もちろん、本当に雇うとしたらあの拘束期間の長さでは数十万単位の料金が発生しますから、現実問題としてボランティア通訳とせざるを得ないのも分かりますし、通訳を通して非常に多くのものが学べる貴重な場であるということも理解してはおりますが、あくまで「通訳業界側」に立った発言だとご理解ください)。

しかしまあ、それはそれ。「頂けるチャンスはがっつり頂く」のも通翻の基本方針です。

何しろ、理事長は「大学で引き受けられないなら、学院に振る」とのお考えだそうで、それを聞いて「なんですとー!!」と思いました。

この案件を引き受けきれなくて話が学院に流れるようじゃ、通翻の名折れですよ、諸君。

そんなわけで、我こそはと思う勇者の立候補を心からお待ちしています。

チャンスです、みなさん。コアメンバーは、今回留学と重なって名乗りを挙げられません!きっと悔し涙を流しているはずです。

うまく行けば毎年の行事にしたいようですが、もしそうなったら、来年の仕事はまず「確実に」留学帰りでパワーアップしたコアメンバーにさらわれます。

今年がチャンスです。今年だけがね。

ただ、私もプロ通訳者の端くれですので、今回の選考は実力一本に絞りたいと思います。

学年も何も関係なし。私から見て「行けるだろう」と思った人を選びます。

私も引率でついて行きたいのですが、1週間以上授業に大穴を開けるわけにもいかないでしょうし、一応お伺いは大学に立ててみますが、まず同行は出来ないでしょう。

知らない土地で、たった1人の戦いとなります。しかし、本来人生ってのは、1人で切り開いて行くものです。生半可な語学留学などより、よほど大きな収穫があることでしょう!

さあ!我こそはと思わん人は、ぜひメールを送ってください!待ってます!

柴原 智幸

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http://tsuhon.blog.so-net.ne.jp/2011-06-27-2
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