ニュージーランドから​こんにちは! [留学]

いろいろありまして、ブログの更新が滞っておりました。申し訳ございません。先週末、鳥取に帰ってエネルギーを補給してまいりました。何とかかんとか、復活です!

さて、ニュージーランド留学中の松崎さんから、留学レポートが届きました。異文化コミュニケーションに関して興味深い洞察をしています。ぜひお読みください。

柴原 智幸

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みなさん、ご無沙汰しております。ニュージーランドから松崎です。

早いものでわたしの留学も折り返し地点に差し掛かりました。

日本のみなさんはそろそろ学期末が近づいてきて課題やテストの準備で忙しい頃でしょうか?こちらでは少し前に前期が終了して休みに突入しました。そして来週の月曜日から後期の授業が始まります。

今回は前期の留学で感じた事、そして後期から留学に行く人に向けたアドバイスなどをみなさんとシェアしたくてメールをしました。Wordにまとめたので時間があったら是非目を通していただけると嬉しいです。

それではテストやレポート頑張ってください!

松崎陽香

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•授業について

こちらでは4枚のpaperを取りました。そのうちの3つはEnglish for Academic Studiesというもので、bachelorに進む予備段階のようなもので終了するとCertificateが発行されます。このpaperではresearchの仕方、プレゼンなどを学びました。全体的には英語圏以外の出身の人が多かったですが、中にはニュージーランド人もいました。

この授業ではacademic essayの書き方やreference、researchの仕方についてとても詳しく学ぶ事ができてとてもためになりました。

もう1つのpaperは以前のメールでも紹介したIntercultural Competenceというpaperです。この授業は学部の授業なので、他の3枚のpaperに比べて難易度が高かったです。ですが、その分一番興味深いものでした。ざっくり言うと、Interculturalになるにはどうしたらいいのか、というのが授業のテーマです。文化の違いを学ぶというものですが、ただ知識をつけるという講義型の授業ではなく、クラスメイトや先生とのinteractionやdiscussion, experimental learningを通じて多文化を理解していくというものでした。また、それらを通して自分自身のidentityを深く見つめ直すというのもこの授業の大きな目的でした。いわゆる、「解なし学習」というのがこの授業にぴったり当てはまると思います。

この授業では、つねにWHY?と自問自答しなければなりませんでした。例えば、
http://www.youtube.com/watch?v=AIQH_msbZ2o
いきなりこのYoutube動画を見せられて、これを見てどう思ったか、またもしあなたがこのビデオクリップの日本人男性/オーストラリア人女性の立場だったらどう振る舞うか、グループでディスカッションをしてください、という回もありました。

わたしが初めに思ったのは、「オーストラリア人の女性は約束の時間に遅れてくるし、格好もカジュアルすぎるし車はジープだし、名刺も雑に扱っていてとても失礼だ。」というものでした。そして、何故そう思ったのかと聞かれ、わたしは「日本では(特にビジネスなどの大切な場では)相手を待たせるのは失礼にあたるし、服装も気を遣わなければいけない。そして、名刺は普通両手で受け取るものだから。」と答えました。

しかし、先生の話やグループディスカッションを通して気づいたことは、わたしのこの最初の考えは、日本人の文化、価値観を押し付けていることになるということです。確かに、日本で日本人同士で、しかも日本のビジネス場面であのオーストラリア人女性のように日本人が同じことをしたらとても失礼にあたるかもしれません。

ですが、日本人男性はオーストラリアという外国にいるわけです。そして、それぞれ異なる文化を持っています。オーストラリア人女性にとっては名刺を交換する文化もありませんし、名刺を両手で受け取らなければ失礼にあたるという文化もありません。なので、異なる文化を理解して、お互いに歩み寄ることが大切なのだと気づきました。どうしても、人間はethnocentricになってしまいがちですが、必ずしも自分の文化の中で当たり前なことが他の文化でもそうだという訳ではありません。

ディスカッションの中で興味深かったのが、あるほとんどのクラスメイト(英語圏出身)が日本人男性が荷物を車に入れる時にオーストラリア人女性を手伝わなかったのがとても失礼にあたると思ったということです。また、車の中で女性が男性にとてもゆっくりな英語で話しかけたのも、「アジア人はあまり英語を上手に話せないという先入観や偏見からきているのではないか」ということもクラスメイトが言っていました。

他にも、P time/M time、Uncertainty Avoidance, High power distance, ethnocentric……(とても興味深いので、みなさんgoogleで検索してみてください!)など色々な理論をexperimental learningを通して学びました。
以前も言ったように、わたしのいるオークランドはとても国際色豊かな都市で、大学もいろいろな人種の人がたくさんいます。もちろんクラスも様々なバックグラウンドを持つ人がたくさんいます。なので、色々な意見を聞く事ができてとても楽しかったです。

この授業を受けて一番思ったのが、日本は単一民族国家で多文化と触れ合う機会がとても少ないので、日本にいるとどうしても日本の常識は世界でも同じと思ってしまいがちということです。そして、文化が違えば習慣、価値観もすごく大きく変わります。将来、多国籍の人々と一緒に仕事をするには、そういった習慣や価値観の違いを理解して、お互いに歩み寄ることがとても大切だと感じました。

全体的に、ライティングはそこまで苦戦したという感覚はありませんが、グループディスカッションやオーラルプレゼンはなかなか苦戦しました。特にグループディスカッションでは、やはりネイティブスピーカーの話す速さについていくのは最初のうちは大変でした。そして、自分の意見を言うのも、なかなか怖じけずいてしまったり、細かいところまで上手く伝えられずにもどかしい思いをしたりすることも何回もありました。ですが、間違えてもいいのでどんどん自分から積極的にディスカッションに参加するのが一番大切だと感じました。


•これから留学するみなさんへ

3年生の中にはこの夏からアメリカに留学する人がたくさんいると思います。また、2年生のみなさんの中にもこれから留学を考えている人もいると思います。そんなみなさんへ、ここまで半年の留学生活を終えた私から少しだけ伝えておきたいことがあります。

1つ目は1日1日を大切に過ごしてほしいということです。留学生活は予想以上にあっという間に過ぎてしまいます。わたしも気づけばもう半年が過ぎてしまいました。毎日目標を持って大切に過ごしてください。わたしも、壁に目標を貼って意識するようにしています。

2つ目は失敗をたくさんすることです。わたしも最初の頃は失敗するのが怖くて授業などでもなかなか発言が出来なかったり、失敗を恐れてなかなか積極的に話せないことがありました。ですが、1つ気づいたことは、失敗すれば失敗した分だけ覚えるし、英語も上達するのが早いということです。また私は仲の良いネイティブの友達に、もしわたしの英語の使い方や発音が間違っていたら出来るだけ直してもらうようにお願いしているので、そういうことを頼むのもありだと思います。

勉強面についてのアドバイスは、単語力をつけること、あとはリスニング力(速いスピードについていけるように)をつけることです。やはり、単語が分からなければ相手が何を言っているか理解できないので、単語力は必須です。また、前回のメールでも書いた通り、とにかく最初の頃はとてもネイティブの話す速さに圧倒されると思います。なので、日本にいるうちからBBCやCNN、あとはTED Talksなどを常に聞いて耳を英語に慣らすことをおすすめします。

また以外と盲点なのは日常会話の口語表現です。やはり友達同士ではスラングやくだけた表現を使うことがとても多いです。もちろん、最初はアカデミックな表現を学ぶのが一番ですが、時間のある時にそういった口語表現もおさえておくと友人とスムーズにコミュニケーションが取れるのではないかと思います。

また単語に関してですが、単語を知っているのと実際に使えるのとでは全く違うということをこっちに来て改めて感じました。なので、単語を覚えたら実際の会話で使ってみることがとても大切だと感じました。わたしは毎日分からなかった単語や英語で何て表現するんだろうというものをメモに取ってノートにつけています。そして、出来るだけ覚えた単語を日常生活で使うように心がけています。日々の積み重ねが大切だと思うので、是非単語ノートを作ってみてください。もちろん、これは日本にいても出来ることだと思います。

最後は、とにかく色々な人と積極的に関わるということです。
せっかく留学に来ているのだから、色んな国出身の人と積極的にコミュニケーションを取らなければもったいないと思います。

色んなバックグラウンドの人と関わることによって視野が広がることはもちろん、その人達との交流を通して自分と向き合うこともできますし、色んな角度から日本を見ることができると思います。

少しオフトピックになってしまいますが、例えば、ニュージーランドで日本文化はとても人気があります。寿司屋や日本食レストランが街のいたるところにありますし、日本のアニメやマンガが大好きな人がたくさんいます。ですが、とても驚いたことに、とても多くの人(日本語を大学で専攻していない人でも)が「変態」という言葉を知っていました。
http://en.wikipedia.org/wiki/Hentai
これは日本のアニメやマンガ、ポルノの影響だと思われます。

また日本のアニメやマンガが好きな友人と話していてI’ve read Yaoi and Yuri books before.と言われ、What’s Yaoi and Yuri?と聞いたらThese are Japanese words. Don’t you know?!ととても驚かれました。ネットで調べるとちゃんと載っていました。試しに他のアニメ好きの現地の友達にも聞いてみたところ、ほとんどの人が知っていました。しかも、わたしは知らなかったと話すと、OMG, are you Japanese?みたいな感じでからかわれました。

やはり日本のサブカルチャーの影響はとても大きいのだなと実感しました。

まだまだ書きたいことはあるのですが、今回はとりあえずここまでにします。
また近いうちにワードにまとめてみなさんとシェアしたいと思います。

松崎陽香

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はるか、通翻のみなさんこんばんは。
小野尾です。

文化についての項目で語ることができる点があります。

この前、アメリカのインディアナ大学教授が早稲田に来て、私が所属する研究科へ講演しに来ました。そこでの話です。

教授の夫(イギリス人)のはシンガポールで働いていたそうですが、そこで面白い出来事があったようです。

ビジネスシーンにおいてシンガポールでは「ありがとう」を言わないらしいです。

どういうことかというと、その教授の夫が会社の上司だったそうで、部下に対して何かをやってもらう度にthank youと言っていたそうです。

しかし、thank youと言う度に「はっ?」という顔で見られるそうです。

しまいには、「thank youというなら給料あげろ」と言われたそうです。

どういうことかというと、シンガポールでは、上司は部下に命令するのは当たり前で、それに関して感謝の意を述べる必要はないとのこと。

逆にありがとうというと、extraの仕事をしているから「ありがとう」というのだ と認識されるようで、「給料をあげろ」と言われたらしいです。

このように、イギリスや日本では建前上相手をrespectする文化があるようですが、それが別の文化では全く通用しないという、良い例だと思います。

他にもまだまだありますよね。

まあいろいろ気づくと思うので、これからもどんどんメモして教えてください。

小野尾
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