卒業 [活動紹介]

かなり前の話になってしまいまして恐縮ですが、去る3月23日に大学の卒業式があり、通翻課程からは小野尾君、高木君、野口君の3人が巣立って行きました。

何だか、いまだに実感がありません。研究室にいると、小野尾君が「先生、飲みに行きましょう!」と入って来そうな気がしますし、そうこうしていると野口君がドアをノックしながら入ってきて「先生、夏合宿の件なんですけど……」と切り出し、話を聞いていると今度は高木君がやってきて「先生、ご相談があるんです」と真剣な表情をしそうです。

早いですね。実に。4年間はあっという間でした。

変なたとえですけれども、このところ「エルフって、こんな気分なのかなあ」などと、ぼんやり思ったりすることがあります。

エルフというのは、ファンタジー物語などに登場する種族で、人間よりはるかに長寿なのです。人間と一緒に冒険を繰り広げたりしますが、やがてはその仲間たちも、あっという間に老いてしまい、ついには会えない世界へと旅立っていく。

もちろん、卒業は老衰とは違いますけれども、こちらは(順調にいけば)何十年も大学にいるのに、学生たちはたった4年で通り抜けてしまいます。もうちょっとあれもやろう、これもやろうと思っていたのに、あっという間に時間切れになったなあ、という感じです。

卒業式では、通翻課程から途中で離れて行った懐かしい名前も、何度も耳にしました。

残念ながら、「君にはこれ以上履修は認められない」と叩きだした学生もいましたし、「どうしてもこの分野をやりたくて、通翻を履修しているとそれが勉強できないんです。通翻も続けたいし……」と言われて「何言ってるの、通翻なんかサッサとやめて、そっちに行かなきゃ!」と送り出した学生もいます。あまり良く分からない理由で離れて行った学生、理由は分かるけれど惜しいなあと思いつつ送り出した学生。1人1人の名前と共に、いろんなことを思い出していました。

学生たちも私も、この4年間の格闘の集大成として、今日を迎えたわけです。

大きな一区切りがついたと思いました。

<左から小野尾君のお母様、小野尾君、野口君、小野尾君のお父様、駆けつけてくれた「秋田君」こと九嶋君>
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<私も加わって1枚>
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<これが、通翻課程の修了証です。今年度取得したのは野口君のみ。このために、いろんな苦労があったと思いますが、その苦労をばねにして、たくましく学び続けた証しです。よく頑張りました>
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<小野尾君は、英米語学科の数百人の学生の中でたった一人、課外活動で表彰を受けました。昨年の高田高校での講演、そして何よりも名古屋外国語大学の通訳コンテストで全国3位に入賞したことが大きかったですね>
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<通訳コンテストのブログエントリ>
http://tsuhon.blog.so-net.ne.jp/2012-12-04-3

<高田高校訪問のブログエントリ。秋田君も同行しました>
http://tsuhon.blog.so-net.ne.jp/2012-02-29

<通翻1期生の誇り 小野尾・野口のツートップです>
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<3人で1枚>
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<高木君もやってきて、一緒に写真に納まってくれました。>
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あれは高木君が3年生になる直前ぐらいでしょうか?研究室にやってきて「先生、家庭の事情で留学が難しくて、通翻課程の修了要件を満たせそうにないんですが、でも通翻でみんなと一緒に勉強したいんです。履修を続けて良いでしょうか?」と相談してくれた日のことを、今でもよく覚えています。

「もちろんだよ!」と答えながら、その真剣さに身が引き締まる思いがしました。

芯が強く、心の優しい高木君は、警察官になることが決まりました。京都の治安は任せたよ!

何度も思ったことですが、教員にできるのはせんじ詰めれば羽ばたこうとしている学生たちへの援護射撃だけです。代わりに空を飛ぶわけにはいきません。

4年間かけて、私の持てるものすべてを注ぎ込んだ3人が、力強く大学から飛び立って行きました。

3人を見送った後、私は羽田空港に向かい、福岡入りします。翌日は福岡の中高の先生方を対象にした、英語セミナーの講師を務めることになっていたのです。

それぞれがそれぞれの道を歩き出しました。自分の持ち場で全力を尽くしきることで、未来への扉は必ず開くはずです。お互い頑張りましょう!

柴原 智幸
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