原発についてのドキュ​メンタリー映画・この​前の選挙から思うこと [留学]

アメリカに留学中の山本さんからメールが来ました。いろいろと考えているようですね。実に良いです。

柴原

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柴原先生
通翻課程の皆さん

こんにちは。ご無沙汰しています。3年の山本です。
早いものでもう年末となりましたが、皆さんお元気ですか。

皆さんのことなので、相変わらずかなり忙しい日々を過ごしていることと思います。

私は約1週間ほど前に秋学期が終わり、寮から追い出され、今は友人宅でホームステイをしていて、のんびりと過ごしています。
というか、去年光平が言っていた通り、日本で生活しているときのほうがよっぽど忙しいです。こちらはまさに ゆとり と言った感じです。勿論その分、勉強する内容が濃くて大変なのですが。

とりあえず、名古屋外大通訳コンテスト、合宿、同時通訳、英語プレゼン、シンポジウムや資料館などに行った感想などなど皆さんシェアありがとうございます。そしてお疲れ様です。
それぞれ読んでいて、たくさん刺激をいただきました。日本で精一杯励んでいる姿が、先生のブログからも、それぞれの感想文等からも目に浮かびます。

色々言いたいことはあるのですが、今日は一番今皆さんに伝えたいことを書きたいと思い、メールをしました。この前の選挙から今思うことと、原発についてのドキュメンタリー映画を見つけたので共有したいと思います。

今私は、母に日本から送ってもらった本を読んでいます。何しろここは田舎で今はマイナス11度で外ですることも特にないので、たくさん送ってもらいました。
ちなみに今、『現代社会100面相』(鎌田慧 著・岩波ジュニア新書 2007年)を読んでいて、日本の社会について、また原発について深く考えています。実は恥ずかしながら、この本は柴原先生からお借りしているものです。アメリカにまで持ってきてしまってすみません。まだ読み途中なので、読み終わったら改めてまとめて感想文提出します。
出版年が少し前なので、古い情報もあるかもしれませんが、あらゆる社会問題について簡潔に要約されていてとてもわかりやすいです。1項目たった2ページなので、気軽に読めると思います。皆さんにもぜひお勧めします。といっても、先生からお借りしているのは私が所持してしまっているのですが。。すみません。日本でなぜもっと早くこれを読まなかったのだろうかと反省してます。

最近選挙がありましたね。
私は衆院選にも都知事選にも選挙権があるにも関わらず、投票できませんでした・・。選挙権を得てからは必ず選挙に行っているのに、(って言ってもまだ数年ですが、)今回の選挙に貢献できないことがとても悔しかったです。今回は自民党の圧勝で、私の1票ではどうにもならなかったことだとは思いますが、、それでも悔しさで胸がいっぱいです。
海外から投票する場合は、役所に出向き、出国前に事前に手続が必要とのことでした。勿論、こちらに来てからでもその手続きは行えるのですが、日本大使館に出向かなければならず、さらにその手続きは承認までに2か月ほどかかるとのことでした。
今回の衆院選も都知事選も突然だったので、手続をするにはあまりにも遅かったです。出国前に選挙のことをよく考えておけばよかったな、と反省しました。

自民党が戦後今まで行ってきたことを色々調べていると、原発のことやアメリカとの関係(米軍基地や「防衛策」など)について、これからの日本が心配でなりません。今回はせっかく色んな政党が新しく出来、新たな改革が生まれるのではないかと思っていたので、自民党の圧勝は私にとって非常にショックなことでした。とはいえ、大多数の人が選んだわけですし、安倍さんも「今回は自民党に対する信頼というよりも民主党への不信がこのような結果を生み出した」と語っていたので、しばらくは成り行きを見守ろうと思います。

前置きが長くなってしまって恐縮です。一番伝えたいことなのですが。
来期に日本の震災についてシンポジウムを開く予定なのですが、そこで使える資料がないかと探していたところ、原発に関する良いドキュメンタリー映画を発見しました。原発に関する、というよりはその再処理に関するものです。ぜひこれは皆さんにも観ていただきたいです。

Into Eternity (Michael Madsen, 2009)
http://www.intoeternitythemovie.com/

なんと、日本語版もありました! 
『100,000年後の安全』(監督・脚本, マイケル・マドセン)
http://www.uplink.co.jp/100000//

フィンランドのオルキルトに建設される放射性廃棄物処理場についてです。この映画は東日本大震災が起きる前に出ましたが、英語サイトでは、監督が日本の震災を受けて思うことも綴られておりました。
http://www.intoeternitythemovie.com/assets/greenpeace-event/Michael-Madsen-Statement.pdf

原発でやはり問題なのは処理場のことだと思います。2000年までフランスやイギリスに再処理を委託していた、という事実もあり、その当時船(あかつき丸)で運んだプルトニウムの量は広島原爆の千倍にも及ぶそうです。政府の中では、護衛のために自衛艦をつけるべきだ、という意見もあるそうです。

私が所属しているStudents for Peace and Justice(秋学期公式HP:http://www.peaceandjusticefilms.org/2012fall/index.html)では、毎月シンポジウムを開き、1つの社会問題を取り上げ、それに関するDVDなどの映像を鑑賞し、その後話し合うという形です。シンポジウムに向けたミーティングで、今期はテーマが埋まってしまっているとして、来期はぜひとも日本の震災について行いたいと強く主張し、受け入れてもらいました。

日本の震災について伝えることを念頭にこちらに来ましたが、震災の何を伝えたらいいだろう、ってすごく考えました。私は子供に対する教育のこととか、現状がどんな感じなのかを伝えようと思っていたのですが、震災に対する慈悲っていうだけだと、先日アメリカを襲ったSandiと変わらない自然災害の1つと認識されてしまいそうなので、やはり未来のことを見据えて考えてもらうべく、原発についての話をしようと思いました。
それで調べている間に、この映画を見つけました。

こちらに来てから、色んな国の人と交流し感じたことはたくさんあります。
アメリカ人ともたくさん交流しましたが、すごく感情的になってしまった日も多々ありました。
アメリカの学生は基本思っていることをすぐ口に出せるという環境の中で育ってきたので、授業中でも容赦なくギャーギャーうるさかったりします。良い意味では発言に積極的だと言えますが。一般的に、日本人は精神的にとても大人であることを感じます。プライドが高すぎる、ということもあると思いますが・・。

それから、日本語との論理性の違いをすごく痛感しました。細部までハッキリ言わないと理解してもらえないんです。しかもすぐに切り出さないと、どんどんと話が先に進んで行ってしまうんです。日頃から柴原先生の授業のおかげで、論理性の違いについてはわかっているつもりだったのですが、こんなに痛感するとは思わなかったです。神田にいるネイティヴの先生は日本の文化をよく知っていらっしゃる方が多いので、今まで私の英語がどうにか通っていたのだということも知る機会となりました。

在日米軍に夫が所属していて、その妻として沖縄に住んでいたという方ともお話したことがあるのですが、日本に住んでいた、とは言うものの全く日本のことを知りませんでした。それもそのはず、米軍基地というのは日本のコミュニティーとは完全に隔離されていますよね。私も高校生の時、修学旅行で沖縄の米軍基地内にホームビジットをしたことがあるのを思い出したのですが、そこは日本ではなくアメリカでした。日本にありながら、アメリカでした。行った当時は、まるでアメリカに来たかのようですごくワクワクして過ごして終わったのですが、今改めて考えると少し恐ろしいことだと思いました。それも経済的に日本からかなり支援されてできた場所なのです。この矛盾がすごく私には悲しいです。

「日本って全く軍事力を持っていない。だからアメリカがわざわざ支援してあげている」みたいなことを言われたこともあります。「防衛」のための自衛隊がいるので軍事力がないわけではありません。そしてアメリカのせいで、非核三原則も守られてきたとは言えない状況下なわけですよね。そして皮肉なことに、戦争というのはいつも「防衛」を理由に繰り返されてきました。これは本当に忘れてはならぬことだと思います。

アメリカでは、退役軍人の日という祝日がありますが、周りのアメリカ人が祝日の祝いをしていたその日、ベトナム出身の友人が「今日は我々のための日ではない」と言っていたことが印象的でした。でも、戦争が好きで戦場に行く人も滅多にいないと思います。
それから、カンボジアからきている学生に対して、「カンボジアってどこ?聞いたこともないんだけど」みたいな感じで言っている学生もみました。

ぶっちが述べていたように、まあ国はどこであれ、無知というのは恐ろしいことだと私も思いました。

いつもながら長くなってしまいましたが、一番皆さんに知っていただきたかったのはこのドキュメンタリーのことです。余計なことまでツラツラと書いてしまいすみません。

日本も寒いと思いますが、いよいよ年末年始に入りますね!!
年明けは明海大でのコンテストもあり大変かと思いますが、それを過ぎたら春休みだと思うのであと少し!!☆ みなさん体調を崩されないよう、勉学など頑張ってください!!

少し早いですがメリークリスマス!
そして良いお年を!! (^^)

3年 山本 みき
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